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アート、読書、旅、美味しいものや本


by ソフィ
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このブログの中で、前の旅(プラハ・ブダベスト・クロアチア・スロベニア)のことを終わらせていないままに次の旅の話(・∀・)


来週の今ごろにはもうコペンハーゲン、数泊した後にはストックホルム。2週間後にはもう帰ってきちゃってる。


例によって機中で読む本のことを考えていた時に、「そういえば、ピッピってスウェーデンじゃなかった? そういえばニルスも」と気がついた。



子どもの頃に読んでいた本は、アンデルセンをのぞけば私、北欧の児童文学にはまるで縁がなかった。『長くつ下のピッピ』という有名な児童書がある、ということを知った時にはもう成人していたと思うし、『ニルスのふしぎな旅』は一度ぐらい読んだかもしれないけれど、ほとんど印象に残っていない。


まあそのうちに、と思っていたけれど、スウェーデン行きを前にした今が「そのとき」じゃなくていつなのよ? と思い、ピッピとニルスを探しに図書館へ。


ピッピを書いたのはたしか・・・リンドグレーン。だよね? 名前か名字かもわからないけれど、なぜか自動的に出てくる。



児童書コーナーの「リ」の棚に行ってみたら、「カッレくん」「ロッタちゃん」「エーミル」、どこかで聞いたことのある単語が並び、それが全部リンドグレーンだったので驚いた。


ピッピはシリーズになっていて、他の数冊はあるけれど肝心の『長くつ下』がない。夏休みだから、誰か近所の子が借りてるのかもふふふということで、まずは「カッレくん」と「やかまし村」の2冊をピックアップ。「ニルス」はビックリするぐらい分厚いのが上下巻だったので、いったん見送ることにした。だって出発まであと1週間だったしね。





児童文学はここまで。私はそのまま、自分の読みたいリストを片手に「936 ナ」の棚を探しに行った。


外国文学のエリアだったことに小さく驚く。最近すごく吸い寄せられている棚にまたやってきたことがふしぎだった。


935・・・936・・・突き当たり。続きを探そうとくるっとふりむいたら、西洋人の女性の鋭い視線が飛んできた。


書棚にメリハリをつけるためか、それともおススメなのか、あちこちの書棚で表紙を正面にして置かれた本が数冊点在しているのだけど、その中の一冊だった。つい先日来たときは別の本だったので、最近入れ替えたのだろうと思った。


それにしてもこの視線。射抜かれるよう。すごい訴えてくる・・・タイトルは『リンドグレーンの戦争日記』。


リンドグレーン? としばしかたまる。いや名前が同じだけかも、とフルネームを見てみると「アストリッド・リンドグレーン」とあった。


怖いものを見るような気持ちで、自分が手にしているやかまし村の作者名をちらり見てみると、・・・同じだった。・・・キタ。






1939年から終戦の1945年まで、二児の母であるスウェーデンの30代の女性が戦争日記をつけていた。この女性がアストリッド・リンドグレーン。彼女が娘のために話し聞かせたピッピのお話は、やがて原稿に書き起こされ、『長くつ下のピッピ』というタイトルで戦後に出版、世界的ベストセラーになる・・・。


そんな背景があったとは。ピッピを手に入れて読み終わってから借りたいところだけど、この流れ。ストックホルムに行く前に読んどけ! と言われているようで、ここから突如、わたしの夏休みの課題図書・リンドグレーン週間が始まったのだった。

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これを書いている今、「戦争日記」の最初の2年(1939~1940年)を読み終えただけなのだけど、もう・・・たまらなくなって、長々とこんなブログ書いちゃってる。そのくらい、揺さぶられている。



考えてみれば、第二次世界大戦中にヨーロッパが、まして北欧がどうだったかなんて、わたしまったく知らないのだよね。


スウェーデンは中立国だったので、ユダヤ人にも寛容だったし大きな戦禍には巻き込まれていない、ということはわりと最近知ったばかりだったのだけど、「中立国だからこそ、大切な隣人であるフィンランドやノルウェーが攻撃された時に助けに行けない」罪悪感を、当時のスウェーデンの人々がこれほど強く抱えていたなんて、思いもよらなかった(その後、戦況はずっと複雑になっていくだのけど)。



アストリッドは戦争が始まった最初の年ですでに「毎朝、新聞を開くのが怖い」と書いている。わたしも、この日記を読みながら、その迫りくる恐怖とか、いったいこれからどうなるのかという不安、頼みの綱だったイギリスが意外に苦戦しててどうしよう、うそパリまで陥落しちゃったよ、といった、背中に冷たい汗が流れるような想いを追体験している気になっている。



憎くてたまらないドイツ・ヒトラーなのに、それ以上に恐ろしいのはソ連なので、ソ連を抑え込むためにはドイツに勝ってもらわないと困るというジレンマ。地理的歴史的心理的な地図と、政治的な陣地とがまるでかみあっていない、そんなすわりの悪さを抱えていたのか、という驚き。




アストリッドはものすごく冷静で分析的。新聞に載った情報が信頼できるものなのかどうかという疑問は常に持っているし、まるで軍師のように先を読み、過去を分析し、各国の状況を見つめている。文章はきわめて簡潔、なのに良識ある母親としての愛にあふれていて、とにかくカッコいい。



この姿が、当時のスウェーデン女性の平均的な成熟度だとしたら、わたしがこれまで感じてきた「第二次世界大戦中の市民」というぼんやりとしたイメージを、軽々と越えている。


どころか、まったく次元が違うわけで、2018年のいま、北欧の国々がしあわせ指数の上位を占めていたり、福祉国家として揺るぎない体制を整えていることを思うと、さもありなんという気にさせられる。ただ、「1943年の秋、どの国が戦争中で、どの国が戦争を免れているかについて、はたして何人のスウェーデンの二児の母親が、知っていただろうか」と、まえがきにあるので(by 有名らしき作家さん)、やっぱりアストリッドは突出していたということ。変な言い方だけどちょっとホッとしたり。


で、この人のすごいところは、戦争を嫌悪し体制を憎みながらも、一人ひとりの兵士のことはドイツ人だのソ連人だのと区別せず、同じいのちとして悼んでいるところ。世界中が戦って自分の子どもの将来は見えないし、食糧は配給だし、というような時に、こんなフェアなこころを持ち続けられるものだろうか? 


その答えは、アストリッドの仕事にヒントがあるのだと思う。1940年からの5年間、手紙検閲局なる役所で、ドイツの占領下にある国々と、スウェーデンの人々両方の人たちの手紙を読むのが彼女の仕事だったらしい。だから、社会的な立場がどうであっても、一人一人は誰しも同じ生活者なのだということを身体でわかっていたんだろうと思う。




同時進行で、『名探偵カッレくん』を読んだ。戦争の暗さなんてどこにもない。むしろ、戦争ごっこを楽しむ子どもたちが、どれほど真剣にその世界に没頭しているかが伝わってくるようなシーンもたくさんある。



この戦争ごっこの中で、子どもたち自身が卑怯なことやずるいことを極端に嫌っている雰囲気が伝わってくるのだけど、ここに大戦に対するアストリッドの皮肉が込められているのかと深読みできなくもない・・・けれど、たぶん、違うと思う。




戦争の悲惨さにはみじんも触れず、ただ子どもたちのワクワクを子どもたちの目で書く。もともとちょっと茶目っ気があってユーモアのセンスが高い人だったんじゃないかと思うのだけど、戦時中に発揮できなかったそうした特性を、物語のなかで思う存分解放したのかなという気がする。



いやすごいわアストリッド(←急に図々しい)。



ストックホルムのヴァーサ公園付近に、一家が暮らしていたアパートが残っているらしいので、建物だけでも見てくるつもり(郊外にあるというテーマパークのほうは興味なし(・∀・))。




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# by eigodo | 2018-08-27 15:00 | 本のキロク | Comments(0)
Cさんのアートセミナー、自分の中にわき起こったあれだけのモチベーション。受けねば!という。

去年ではなくて、今、プライベートセミナーでなければならなかった理由。
セミナーの感想記事がほとんど書き終えていたのに途中で消えてしまった理由。
本当はうすうす気づいてたのだと思う。

ミュシャの人生のある時期を、ある言葉で言い表わしたCさん。それが心に突き刺さった。あまりにも向き合いたくないものだったから気がつかないふりをして2日が経ってしまったけど、やっぱりそこだった。

落ち込んで落ち込んで、でもクリーニングしていくことで、改めて自分らしさ、も浮き上がってきた。サインでしかないのだから、そこに感情のジャッジという色をつけるのはやめようと思った。そして、どうしていくのかってことも自分が決められる。

いま、成田へ向かう電車の中でこんなことを書ける時間もとれている。知らない路線を試すのが大好きなダーのセレクトで、日暮里から初めての京成ライナー。

行ってきます。



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# by eigodo | 2018-06-19 06:19 | 旅のキロク | Comments(0)
羽田空港。サンフランシスコ行き。


本はまだなかった。



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# by eigodo | 2018-06-15 17:00 | 旅のキロク | Comments(0)
もともとが読書好きなので、機内ではもちろん読書派。

旅行前の準備でかなりのエネルギーを占めるのも、フライト中の本探し。けっこう時間をかけてしまう。


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# by eigodo | 2018-06-14 17:12 | 旅のキロク | Comments(0)

東京の傘

ものすごく久しぶりに「東京に来て気づいたこと」編。

といっても気づいたのは私じゃなくてダー。

「東京の人は、透明のビニール傘の人が多い」。


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# by eigodo | 2018-06-11 21:33 | 感じたことのキロク | Comments(0)